松岡陽子氏(グーグル、パナソニック幹部)の家族構成と異色の経歴:テニス選手からニューロ・ロボティクス研究、そして企業家へ

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松岡陽子氏の家族構成、異色の経歴、夫の経歴

グーグルの副プレジデントでパナソニックのフェロー(役員待遇)に就任した松岡陽子氏。

異色の経歴の持ち主とのことで気になったので調べてみた。

松岡陽子氏(48)はGoogle Nestの最高技術顧問、グーグルの研究部門「Google X」(グーグルグラスや自動運転の研究などで有名)の共同設立者であり、Appleの幹部も勤めたことがある(医療ソフトウェア関係)。ロボット、AI、神経科学の研究者で、MITで博士号取得、ハーバードで研究員、カーネギーメロン大学助教授、ワシントン大学准教授を歴任し、天才賞と呼ばれるマッカーサーフェロー賞(賞金約5000万円相当)を受賞。その後、三名でグーグルXを立ち上げ、企業経営の道に踏み出す。現在ネストの最高技術責任者。最近はスマートホーム(機械学習する家)関係の仕事をしており、パナソニックでは、IoT(モノのインターネット)の分野での活躍が期待される。拠点はシリコンバレーのパナソニックβという若手主体の「もうひとつのパナソニック」であり、日本ではない。ちなみに松岡氏はコンピュータビジョンの専門家サイモン・ベーカー氏(次の記事で取り上げます)と結婚し、四人の子どもがいるという。

そんなアカデミックな経歴の松岡氏だが、もともと渡米したのは16歳のとき、テニスの名門スクールに入るためだったという。日本ランキング21位まで行ったようだ。三度の足首のケガでプロの道は断念したものの、一緒にテニスをしてくれる知能をもつロボットを作りたいという個人的な欲求からロボット工学に転身(後に非現実的だと気づく)、カリフォルニア大学バークレー校でロボット研究を始める。

MITでルンバの生みの親のロドニー・ブルックスに学ぶ

大学で脚のロボットの研究をし、さらに腕や頭脳を研究するためMITへ。指導教官は、反射的に「知的な」振る舞いをするロボットで有名で、ルンバの生みの親でもあるロドニー・ブルックス氏。

MITではロボットに機械学習を取り入れ、いろいろな物体を手で扱えるように学習させることに成功。しかし「人間が社会を持っている原因は手があるからだ」と言われるように、手の持つ人間的、社会的な意義を扱うにはロボット研究だけでは不十分だと考え、人間の脳を学び、それをロボティクスに活かす道を探ろうと考えたという。

リハビリ・ロボットの研究へ

そして彼女はロボットと人間の脳神経への興味を合わせたニューロ・ロボティクスの分野に進み、リハビリ・ロボットを研究するようになる。脳は健康だが体が障害をもって動かせない人等の要求に応えるために、ロボットと人間をどう組み合わせるべきかを研究して行った。ちなみに在学中にはBarrett Technologyという義手の会社で主任技術者も勤めた。

Yoky Matsuoka on robotics – The New Yorker Conference
ニューロ・ロボティクスの分野を紹介する2014年のプレゼンテーション。義手やリハビリ用ロボットの他、今年れいわ新選組の議員に当選した船後靖彦氏のようなタイプの重度障害の人が、脳に埋め込んだチップで外界とインタラクトできるようにする研究や、軍隊などで健常者の能力を拡張するロボットの研究にも触れている。

大学研究者から企業家へ

大学研究者の時代には、後にiPhoneを生んで世界を変えたマット・ロジャースへ、大学で博士号をとるよりアップルで物を作れと的確な進路相談もしたという。

2011年には、10〜15年先を見据えた研究に携わるGoogle Xを共同創業し、自身が身をもって起業したということだ。さらに面白いことに、今度はマット・ロジャースから彼の会社Nest(現在はGoogleが買収)へ引き抜かれ、AI付きサーモスタット(室温調整器)で節電するプロジェクトに関わる。

一見泥臭く見える事業内容だが、このインテリジェントなサーモスタットは、家を人間の拡張として捉える点では、リハビリ・ロボットと共通点をもちつつ、多くの一般の人に対して開かれた研究だといえるだろう。

また、大学での研究や、グーグルでの長い先を見据えた研究は、実際に人を助けるまでに時間がかかる。それよりも今すぐにできることを実現して行くこと、現実の人の要求に応えることに意義を見いだしたのかもしれない。

最後に

彼女の経歴を追ってみて、とにかく変転が激しいものの、人間のロボットによる拡張という一貫性が感じられる。理想を追い続けた結果として華々しいキャリアを歩んでいる点は頭が下がる。研究と実践、社会貢献について考えさせられる。

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